R&B


Prince「Purple Rain」(1984)

ブラック・ミュージック界最大の天才、プリンスの同名映画のサントラ盤。プリンスと言えば、奇抜なスタイルや改名騒動等、スキャンダラスな活動で知られるが、そのクリエイティヴが頂点に達した80年代の一作がこれ。

プリンス史上最高とも言えるコマーシャリズムに溢れた今作は、ロックパーティーなオープニングの"Let's Go Crazy"、大ヒット曲"When Doves Cry"、"I Would Die 4 U"、珠玉のバラード"Purple Rain"といった名曲が連なる。

他にも、「1999」や「Sign "O" The Times」等の数多い名作のある彼だが、現在も尚続く音楽活動のアイディアは尽きる事がない。真の才人と呼ぶべき。



Amy Winehouse「Back To Black」(2006)

現代に君臨したソウル・ディーヴァ、エイミー・ワインハウスの代表作。その、60年代以前のR&Bやジャズ、ソウル等に影響を受けたサウンドは、正にビンテージと呼べる程古式ゆかしいオールドスタイルだった。しかし、本人最大のヒット作に。

その歌詞は正にアウトロー。"Rehab"の「リハビリに行けと言うけど、そんなのいや」というドラッグ癖をあからさまにしたリリックを始め、タイトル通りの"You Know I'm No Good"、ポジティヴな名曲"Tears Dry On Their Own"等。

ドラッグとアルコールの過剰摂取から、2011年に27歳で急死。彼女もまた伝説の一つとなったが、音楽の業の深さをも改めて感じさせるシンガーだった。



Justin Timberlake「FutureSex/LoveSounds」(2006)

元アイドルグループ、イン・シンクのリード・ボーカル、ジャスティン・ティンバレークのソロ二作目。アイドル的イメージをソロ転向後、ティンバランドとの最新モードの音作りで払拭し、マイケル・ジャクソンに続くかの希代のスターダムを手にしたジャスティンの意欲作。

そのエレクトロ音を活かしながら、軽くスカスカの音像は正に時代のモード。ヒット・シングル"Sexy Back"は勿論、アルバムの随所に見られる自身の売りである声をもエフェクトで歪めた攻めの姿勢に、前作を上回る支持が集まった。

アイドルの殻を脱したジャスティンの、真の現代のスターへの階段を用意した意味で、音楽性共々大評価すべき傑作。


Rihanna「Good Girl Gone Bad」(2007)

バルバドス出身のシンガー、リアーナの3rd。現代最高のポップ・アイコンとして、レディ・ガガ、ビヨンセ等と共に君臨する彼女、その存在感は圧倒的で、名声はその二人を今や凌ぐ程の勢いだ。そのリアーナ自身最高の成功作がこの一枚。

先行シングル、ジェイ・Zをフューチャーリングした"Umbrella"は彼女のキャリアの代表曲、ライヴではキラー・チューンと化す"Don't Stop The Music"等の名曲が軒を連ねる。

彼女の成功は黒人差別等遠い昔の今となってはアイドル的な程だが、そうしたスターを必要とする時代に魅入られたという意味でも、重要なポップ・アルバム。



TLC「Crazysexycool」(1994)

90年代最も成功した女性アイドルグループの一つ、TLCの代表作。オリジナルメンバーはT-ボズ、レフト・アイ、チリの三人。レフト・アイが事故に拠り急逝した為、現在では残された二人で活動しているが、この三人での作品が自身最大のセールスを記録している。

全米で1000万枚のセールス、グラミー賞も獲得した本作は、"Creep"、"Waterfall"等の大ヒットに象徴される様に、当時の最新のR&Bモードとしてシーンを引っ張った立役者としての功績も大きい。

彼女達の成功は、最も一般的なスターダムの一つでありつつ、音楽としてのエッジも失ってはいなかった。それは今のスター達の音にも受け継がれている。



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