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Blue Cheer「Vincebus Eruptum」(1968)

サンフランシスコを拠点に活動したアメリカのバンド、ブルー・チアーのデビュー作。同時代のドアーズのジム・モリソンにも激賞されたその激しいサウンドは、ヘヴィ・メタルの始祖の一つとも言われている。グランジやガレージへの影響も大きい。

最も有名なエディ・コクランの"Summertime Blues"のカバーは、バンドの音楽性の顔役的役割を果たした重要曲。強烈なファズ・ギターのプレイが耳に残る、当時としてはかなりの爆音。

ライヴ盤の様なエネルギーに溢れるこの作品は、現代のバンドこそお手本にすべきロックンロールの衝動に満ちていると言って良い。最高にCool!


Joni Mitchell「Clouds」(1969)

カナダ出身のシンガー、ジョニ・ミッチェルの2nd。彼女のアルバムはこれで初めて聴いたのだが、そのローラ・ニーロと共振するかの鬱々とした歌声は、独自の陰影となって聴く者の心を揺さぶる。それが稀有な物だという事は疑う余地がない。

全体的にアコースティックギターの温かい音色に包まれた空気は、歌と反比例して清涼感となって聴き心地を穏やかにする。その歪とも言えるバランスが、堪らなく耳を傾けずにはいられない。

所謂、フォーク・ロックに分類される彼女の音楽だが、そんな枠組みに捉われない自由さを聴いていて感じる。時代の産んだ不世出のシンガー。


God Is My Co-Pilot「Speed Yr Trip」(1992)

NYのロック・バンド、ゴッド・イズ・マイ・コ-パイロットの2nd。その自由でアバンギャルドな音楽性は、ハードコア・パンク、アバンギャルド・ジャズ、フリー・パンク等様々な呼称をされたらしいが、当の本人達はジャンル分けをハナから嫌っていた様だ。

その内容は、一曲一分台のファスト・チューンで埋め尽くされた、定義不可の音楽。個人的にはガレージと呼びたい感じなのだが、それにも迷う程圧倒的に独特のサウンドなのだ。

「神は私の副操縦士」というバンド名が、このバンドの立ち位置の複雑さを何より表していると思う。個人的には最も好む類の音だが、やはり強烈な個性。


The Phychedelic Furs「The Phychedelic Furs」(1980)

イギリス出身のポスト・パンクバンド、サイケデリック・ファーズの1st。ポスト・パンクと言うと、P.I.Lやジョイ・ディヴィジョン、ギャング・オブ・フォー等が思い浮かぶが、そうした人達に比べてこのバンドは少々マニアック、通好みな位置だと思える。

ロック・バンドには珍しくサックスをフューチャーしているのだが、それもあってか音楽的にはかなり面白い。好き放題やってる感じがして、筆者は好みのタイプの音。

ポスト・パンクはリヴァイヴァルまで聴きまっくたのだが、探せばまだこういうバンドが居るんだと何か心強くなれる。かなり好きです。


Dead Can Dance「Dead Can dance」(1984)

オーストラリアで結成された、デッド・カン・ダンスのファースト。その特異な音楽性は、ゴシックにも思えるがその雑多な要素と独自の雰囲気は、広義のワールド・ミュージックという括り方さえされている。一言でとにかく難解と言ってしまえるグループ。

時にフリー・ジャズの様であったり、クラシックを匂わせたりもするが、雰囲気はかなり暗い。暗黒的とさえ言えるアルバムの世界に、終始打ちのめされてしまう。

敢えて比較するなら、This Mortal Coil辺りが近いか。何処までも深い闇は、時に人を誘い奥へと沈み込ませる。そんな感じの音楽。 

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